- 電気工事士の辛い所7選
- 電気工事士のやりがい
- 電気工事士に向いている人
この記事では電気工事士の仕事で”辛い部分”に焦点を当てた内容になっています。
ところで、ネットで電気工事士と検索すると「キツイ・辛い」という言葉がよく出てくることをご存知ですか?実は本当で、現場では沢山の辛い部分を経験することなります。
ただ辛い部分だけでは無く、それを上回るほどにやりがいと魅力のある世界でもあります。本記事は辛い所に合わせて「電気工事の魅力・やりがい」更に「向いている人の特徴」までを解説していきます。
現役の電気工事職人だからこその視点でお伝えします。
電気工事士の辛い所
🔽電気工事士の辛いところ【7選】
①残業が多い
②日曜祝日出勤
③朝が早い
④休憩中に作業
⑤業界内で立場が下
⑥覚える事は多い
⑦目に見えない電気の恐怖慣れてくれば当たり前に感じますが、新人の頃は割と苦労する事だと思います😌
— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) August 29, 2021
上記ツイートの内容から電気工事士の辛いところを7つ解説していきます。
①残業が多い
建築現場は工期に追われたり、検査に間に合わせたりと現場の最盛期には残業が続きます。
基本は定時に作業終了するのが現場の状況が逼迫してくると夜8時〜9時とかもっと酷ければ終電まで働いている時もあります。
特に電気工事は、他職との作業が重なったりする場面が多く、状況によっては人がいなくなった定時以降、つまり作業しやすい時間帯を選んで作業することになります。
残業が増えてくると体力もキツくなってくるし、その分細かいミスが増えたり、思考がおぼつかなくなってきたりします。残業はできるならしたくありませんが、現場の状況次第で避けては通れないことがあります。
残業を前提で働くと危険
「残業脳は仕事ができない」かもです。
電工は他職の作業の合間に仕事が入る場面が多く、思うように仕事が進まないことがよくあります。
すると考え方が「残業すればいいや」になりがち。
でも現場での立ち回り次第で、定時に終わらせることも多くあります。残業脳は意識してかき消していくべき😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) August 31, 2021
「残業は避けられない」と言いましたが決して全ての状況でそうとは限りません。
作業計画をしっかり立てたり、事前の段取りが出来ていたり、他職とのコミュニケーション(連携)が上手くとれていたりすれば問題解決できる場合が多くあります。
▼もっと詳しく知りたい方はコチラ
②日曜祝日出勤
電気工事士になると、世間での休日祝日に仕事が入ることがよくあります。
それは施設や店舗が休みの時に、設備のメンテナンスをする為です。GWやお盆休みは時に無い場合もあります。これから業界を目指す方は、ちょっと注意ですね😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) August 8, 2021
稼働中の建物は休みの日に合わせ工事や点検がよく入ります。
日曜日にしか作業ができない現場もあり、平日はメインの現場で日曜だけ別の現場、というのはよくあるパターンです。
また新築現場などで工期が遅れている場合はゴールデンウィークや盆休みも返上して働くといったこともあり、ゆっくり休みたい人にとってはちょっと大変かもしれません。
③朝が早い
🔽職人の朝が早い理由
・遠い現場がある時
・朝の渋滞回避
・駐車場の争奪戦回避
・作業の段取り(準備)慣れるまでは大変だけど、速く現場に着くことにデメリットはあまりありません。一方で時間ギリギリに動くと、朝一のスタートから出遅れる場合が多い😌
— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) September 26, 2021
職人の朝はとても早いです。
その理由は上記ツイートの通り
- 遠い現場がある時
- 朝の渋滞回避
- 駐車場の争奪戦回避
- 作業の段取り(準備)
車通勤では朝の渋滞回避、駐車場の確保が主な理由です。
また、早めの現場入りで作業の準備などをする、など。
特に年次点検と呼ばれる建物の電気設備を点検する行事の際は早い傾向にあります。
職人さんは朝5時起床の人も珍しくないと思います。遠い現場の場合は4時起床という場合もあり、朝が弱い人はなれるまでかなり苦労すると思います。
とはいえ、早起きして早く現場に付く事は色んな面で余裕が生まれます。
一日の作業を予想したり、現場を見て回ったりすることでスタートが早くなります。
④休憩中に作業
電気工事士は休憩中に作業をこっそりする事があります。
その理由は他の職人がいない間に作業した方が楽だから。
人が多くて、作業エリアが確保できずに結局残業時間にズレ込むのはよくある話。
「今頑張っておけば、後が楽」という場面が多くあります。
立ち回りが上手い人は時間をうまく使います😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) September 26, 2021
電気工事士は、他職が休憩中、つまり人がいない間を狙って作業することが多いです。
例えば、配線作業。
作業エリアを大きくとることになる配線作業は、広範囲にケーブルを伸ばしたり、ケーブルドラムとよばれる大きな物が通路に置かれていたりと結構邪魔な存在にされがちです。
なので「誰もいない時間帯を見計らって作業した方が早く作業が進むし、周りに気を使わなくても良い」という考えに自然となっていきます。休憩中や、昼休憩の時間帯をズラして、作業しやすい間に済ましてしまう人が多いのです。
上記ツイートでもありますが
「今頑張っておけば、後が楽」という場面が多く
時間を上手く使うことで残業を無くしたり、工程をスムーズに進めることが出来たりと大きなメリットがあります。
ってことだね♪
⑤業界内で立場が下
建築業界は「建築側」と「設備側」に別れた構図で電気は下の立ち位置です。これはある程度しかたないところがあり、建設会社の下に電気設備などのサブコンがいるから。
とはいえ、現場での扱いで違和感を感じることも多くあります。
具体的には、工程の中に電気の作業がそもそも計画されていないとか、詰め所で休憩するための机が極端に少ないとか
全ての現場がそうでないにしろ、長年電気屋をしている人は一度は経験あるはずです。
⑥覚えることが多い
工具・材料・作業の種類、全業種の中でも覚える事はトップクラス。
電気工事は作業内容の広さから覚えることがとても多く、恐らく新人さんにとってはまずここで苦労すると思います。
効率的に覚えるためには下記のように行動していくことが大切です。
- 習ったことはメモをする
- 分からないことは必ず質問
- 一日の振り返りをする
- 資格勉強をする
少しめんどくさいな、と感じるかもしれませんがこういった日々の積み重ねが重要です。
新人さんに関しては早めに資格取得(第二種電気工事士)にチャレンジすることで、テキストからも覚えていくことができておすすめです。
⑦目に見えない電気の恐怖
電気は見えない危険、知識をしっかりつけて危険予知できることが大切。
もっといえば電気工事士は常に見えない死のリスクを背負っているとも言えます。感電による死亡災害を始め、一つの事故が建物の設備に大きく影響を及ぼすこともあります。
電気の世界が厳しいと言われる理由のひとつであり、そのために国家資格があり、正しい知識を身につける必要があります。
感電が及ぼす人体への影響
下記ツイートは感電が及ぼす人体への影響を
電流の大きさ別にまとめたものです
🔽感電レベル(人体への影響)
1mA=ピリッと来る程度
5mA=ビリビリと痛い
10mA=離脱できなくなる
20mA=呼吸停止、離脱不能
50mA=失神、短時間でも死亡
100mA=心臓停止、死亡電気屋さんなら誰しも感電経験あると思いますが、ほぼ1~5mAレベル。電気は便利ですが見えない凶器でもあります。
— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) September 22, 2021
- 1mA=ピリッと来る程度
- 5mA=ビリビリと痛い
- 10mA=離脱できなくなる
- 20mA=呼吸停止、離脱不能
- 50mA=失神、短時間でも死亡
- 100mA=心臓停止、死亡
音声配信でも解説した放送があります
特に10mA付近からは筋肉の収縮が始まり自分の力だけで離脱できなくなってきます。
大きな電流で感電すると、体が固まってしまう現象が起こってしまいます。
感電中の人を掴み離そうとするとその本人にも電流が流れ二人共固まって動けなくなってしまう。
現場で習った対処法は「感電している人を蹴り飛ばす」です。少々手荒ですがこれが命を守る最善策😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) September 21, 2021
私が現場で「感電している人は蹴り飛ばす」と習ったことをツイートした所、割と反響がありました。現場では周知の事実なようです。
以上、電気工事の辛い所7選を解説しました。
電気工事士のやりがいとは?
ここまでの解説で辛いことが多いイメージが付いてしまったかもしれません。
とはいえ電気工事士の仕事はやりがいを感じる事も多くあります。
具体的には下記のような場面です
- 器具付け(仕上げ作業)
- トラブル箇所を見つけた
- 金属管をキレイに曲げた
- 照明が点灯した
特に最後の「照明が点灯した」瞬間は多くの電気工事士が共感するやりがいだと思います。
それは大きな長期の現場になる程、多くの厳しい工程を経た上での結果になるため仕事の達成感に繋がります。
とはいえ個人的に「やりがい」というのは自分で作り出すものかな、とも思っています。
何故なら、自分の意識の持ちようで左右されることだからです。
「毎日辛い、仕事行きたくない」と考える人はやりがいを感じる場面に出会ったとしても、何も感じませんよね。
日々の成長を感じながら、辛いことがあっても乗り越えてきた人にとっては苦労して工事した後の照明点灯は感動のシーンになるはずです。
電気工事士のやりがいや魅力は、元々そこにあるものではなく自分で掴み取っていくような感覚です。
こちらのテーマは深堀りした記事がありますので、興味のある方は御覧ください。
▼もっと詳しく知りたい方はコチラ
電気工事士の魅力・やりがいとは?【結論:自分で作り出すもの】
電気工事士に向いている人とは?
これから電気工事士になりたい方にとって、電気工事士はどんな人が向いているのか気になる所だと思います。
下記ツイートにてまとめてみました
🔽電気工事士に向いている人
・几帳面
・忍耐強い
・行動力がある
・モノ作りが好き
・体力に自信がある
・コミュニケーションが好き
・オリジナリティを出すのが好き私が新人の頃、几帳面しか当てはまっていませんでしたが今では電気屋向いていると思ってます。
一個でも当てはまれば適正あり😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) September 27, 2021
- 几帳面
- 忍耐強い
- 行動力がある
- モノ作りが好き
- 体力に自信がある
- コミュニケーションが好き
- オリジナリティを出すのが好き
上記の通りいくつか向いている特徴はあります。
ただ、ツイートでも書いていますが私が新人の頃当てはまっていたのは「几帳面」くらいしか思い浮かびません・・・
でも今ではやりがいを感じつつ電気工事士を続けています。むしろ向いている性格というのは、電気工事士になってから養われる方が多いと思っています。
これから電気工事の世界に入りたいと思っている方は、今ある好奇心を大切にして飛び込んできて下さい。
▼もっと詳しく知りたい方はコチラ
まとめ
①残業が多い
②日曜祝日出勤
③朝が早い
④休憩中に作業
⑤業界内で立場が下
⑥覚える事は多い
⑦目に見えない電気の恐怖
正直な所、電気工事士の世界は楽ではありません。人によっては辛いと感じる事のほうが多いとも言えます。
ただ、その中で成長を感じつつ小さな成功体験を重ねるうちに、大きなやりがいが生まれてきます。
今悩んでいて挫けそうな新人さんは”もう一歩”乗り越えた先に見える景色があるかもしれません。これから電気工事士を目指す人は、今ある興味関心を大切にしていればきっと頑張れるし続けていけると思います。
是非参考になれば幸いです。
▼電気工事の技術と知識のスキルアップ
≫【これで完璧】電気工事の仕事をまるっと解説【知識力/技術力UP】