こういった疑問に答えます。
第二種電気工事士の申込〜合格まで解説
本記事では「これから第二種電気工事士の資格取得を目指しているけど、全く初心者で何から手をつけていいかわからない」
と言う無資格未経験の方向けに書いています。
この記事を読むことで、資格取得までの全体的な流れをイメージできるようになります。
過去の私は「素人の私が仕事をしながら独学で資格を取れるだろうか…」と不安を感じながら、ずいぶんと遠回りしながら取得しました。
そんな私の経験を活かし、この記事を読む皆様が少しでもスムーズに合格までの道のりを歩めるよう記事を執筆していきます。
第二種電気工事士完全攻略マニュアル【申し込み〜合格まで徹底解説】
第二種電気工事士の全体的な流れを下記4つのステップに分けて解説していきます
- STEP.1 試験日程と申し込み方法
- STEP.2 学科学習〜学科試験本番
- STEP.3 技能学習〜技能試験本番
- STEP.4 合格〜免状交付
資格取得に最大限役立てて頂く為各STEP毎に、内容を掘り下げた記事のリンクを貼り付けています。知りたい情報へのアクセス元として、本記事をご活用下さい。
STEP.1 試験日程と申し込み方法
試験日程
第二種電気工事士の試験は、上期試験と下期試験で年2回行われます。
また上記試験で落ちたとしても、下記試験を受験することができます。
上期 | 下期 | |
申込受付 | 3月18日(月)~ 4月8日(木) | 8月19日(月)~ 9月5日(木) |
学科試験(CBT方式) | 4月22日(月)~5月9日(木) | 9月20日(金)~10月7日(月) |
学科試験 | 5月26日(日) | 10月27日(日) |
技能試験 | 7月20日(土)または7月21日(日) | 12月14日(土)または12月15日(日) |
申し込み方法
試験の申し込みについては郵便振替申込用紙と、インターネットから申し込む方法の2種類があります。料金に違いは下記の通り
郵便 | ¥9,600 |
インターネット | ¥9,300 |
この記事を読んでいる読者の方はインターネットの申し込みをしましょう。
手間や料金などを考えてもインターネットの方が断然簡単です
申請手続きが終わると、後日試験センターから「受験票」「受験申込書兼写真票」が届くので、それを試験当日に試験会場に持参して受験となります。
具体的な試験申込方法は【画像付き徹底解説】第二種電気工事士試験のインターネット申込方法の記事で解説しているので参考にしてみて下さい。
STEP.2 学科学習〜試験本番
学科試験の概要、効果的な学習手順。試験当日のポイントなどを解説していきます。特に学科試験の学習手順は合否に直結する大事な部分、一緒に学んでいきましょう。
学科試験の概要
学科試験の概要は下記の通りです。
- 制限時間は120分
- 4択マークシート方式
- 合格ラインは60点(30/50問正解)
学科試験は全50問の4択のマークシート方式となっています。1問2点の100点満点で、合格ラインは60点となります。
つまり、全50問のうち30問正解すれば合格です。
学科試験の出題内容として7つの科目があり下記です
出題科目 | 出題数 | |
一般問題 | ①電気の基礎知識 | 5〜6問 |
②配線理論と配線設計 | 5〜6問 | |
③電気機器・配線器具と材料及び工具 | 4〜5問 | |
④電気工事の施工方法 | 5〜6問 | |
⑤一般電気工作物の検査方法 | 3〜4問 | |
⑥一般電気工作物の保安に関する法令 | 3〜4問 | |
小計 | 30問 | |
⑦配線図 | ⑦-1 図記号 | 10〜12問 |
⑦-2 複線図 | 4〜5問 | |
⑦-3 配線器具・工具・施工方法 | 7〜8問 | |
小計 | 20問 |
実際の試験では、ほとんどこの科目の順番で出題されます。
とはいえ科目によって難易度は異なる為、まずは理解しやすい科目から勉強していくことをオススメします。
学科試験の勉強方法
▼学科試験7つの科目
- 器具・材料・工具・図記号(約23問)
- 施工方法・配線設計(8〜9問)
- 検査・法令(5〜8問)
- 複線図(4~5問)
- 理論:配電(2〜3問)基礎(5〜6問)
上記の通りで、下記にて科目別優先順位を図解します。
器具・材料・工具・図記号
この科目で約30問近く出題されます。ひたすら暗記で稼げるので学習手順としては最優先項目です。写真や記号が中心なので理解が早くモチベーション高く学習できます。
≫【第二種電気工事士】学科試験で覚える器具・材料・工具【まとめ】
複線図・検査・法令
文章や施工図から状況をイメージすることがポイントで、難易度は少し上がってきます。中でも複線図は技能試験に必須科目なので、確実に理解するまで学習しましょう。
配電理論・基礎理論
多くの受験者が苦手とする計算問題が出てきます。ただ優先度として一番低く、無理せず「捨て科目」でもいいかなという印象。
これ以外の科目がほぼ完璧で、余裕が出てきたら手をつける。これで大丈夫です。
計算問題については【第二種電気工事士】計算問題への考え方【捨ててOKです】の記事で詳しく解説しています。
【重要】過去問題の反復練習
学科学習の重要ポイントが過去問題集の反復練習です。理由は出題傾向が過去問から応用されるパターンが多いから。
- 全く同じ
- 言い回しが違う
- 数字が違う
ほとんどの問題が上記に当てはまります。そのため、学科試験において過去問の勉強はとても大切。
学科試験の学習方法まとめ
学科試験対策は学習する科目の順番が重要になってきます
- 暗記中心で稼げる科目を最優先にする
- 文章や図面に関連する科目に時間をかける
- 難解科目は一番後回し or 捨てる
- 過去問題集の反復練習
学科試験を学習する前に上記の考えを持っておくことで合格率にグッと近づきます。
学科試験当日
試験当日に持っていくもの
学科試験には「準備する物」と「持ち込めない物」が決められています。
・鉛筆orシャープペン
・鉛筆削り(鉛筆の場合)
・消しゴム
・(腕)時計
・受験票
・受験申込書 兼受験票
・電卓
・計算尺
・携帯電話・スマートフォン(電源を切る)
・通信機能、電卓機能のある腕時計
試験当日の心構え
試験当日は誰もが緊張します(私もとても緊張しました)。過去の経験から大切な事は「余裕をもった行動を取る」ことです。
具体的には早めの会場入りで、できれば試験開始1時間前くらいがベスト。トイレの場所確認、テキストを見て最終調整等、時間をうまく使うことによって心の余裕が生まれてきます。
STEP.3 技能学習〜試験本番
技能試験は第二種電気工事士の第二試験。技能試験をクリアすると、晴れて第二種電気工事士の免状を取得することが出来ます。
技能試験の概要
第二種電気工事士の技能試験は電気工事の基礎スキルを習得するための試験です。試験内容は下記3点のルールがあります。
- 制限時間40分
- 13の候補問題から1問出題される
- 合格ラインは「欠陥なし」
技能試験は一般社団法人電気技術者試験センターから公表された、13の候補問題から1問出題されます。制限時間40分で「欠陥」と呼ばれる施工不良をしないことが合格の条件です。
必要な工具は各自準備する
技能試験に必要な工具や材料はすべて自分で揃える必要があり、最低でも「指定工具」と言われる7種類の工具を揃えなければいけません。
- 電工ナイフ
- ペンチ
- リングスリーブ用圧着ペンチ
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ウォーターポンププライヤー
- スケール
≫【第二種電気工事士】技能試験で失敗しない工具選び【決定版】
技能試験の勉強方法
技能試験の学習で大切な事は下記の3点
①複線図を理解する
②欠陥になるポイントを理解する
③作業スピードを上げる
①複線図を理解する
技能試験では単線図を複線図に変換して作業を進めていくことになります。
正確な複線図の書き方を理解することが第一ステップ。
≫【第二種電気工事士】技能試験 2023 候補問題【複線図まとめ】
②欠陥例を把握する
合否の基準では「欠陥のない施工」が最重要です。その為には欠陥になる項目を理解することが必須。
また技能試験の合否に「作品の見た目は関係ない」ので、必要以上に時間をかけてキレイに仕上げる必要はありません。
何をすると欠陥になるのかという線引きを理解することが大切です。
≫【超重要】第二種電気工事士技能試験の欠陥まとめ【完全保存版】
③実作業開始
複線図と欠陥ポイントが理解できればあとはひたすら繰り返し練習です。
初めは1時間くらいかかってしまうかもしれません。
でも繰り返し練習することによって、半分以下までスピードを上げることが可能。
その中で大切なことは作業手順や細かいテクニックを駆使して、考えながら学習していく事です。
≫【これでOK】リングスリーブ徹底解説【使い方・覚え方・圧着工具】
≫【第二種電気工事士】のの字曲げ(輪作り)講座【欠陥例もアリ】
技能試験本番
- 受験票
- 筆記用具
- 時計
- 工具
- 絆創膏※
- 上着※
- タオル※
上記の中でも意外と重要なのが下3つの「絆創膏・上着・タオル」です。
絆創膏は万が一のケガの為に準備しておきましょう。というのも過去の私が本番で流血してパニックになった経験があるから。絆創膏の備えは必須です。
上着は会場での体温調節の為です。「冷房が強い、暖房が弱い」等の対策で試験会場の座席の位置によって環境が変わります。軽くはおる程度の上着は準備しておきましょう。
タオルは汗対策です。緊張による手汗で滑ったりいつもの調子が出ないことがあります。
STEP.4 合格〜免状交付
合格発表
技能試験が終わった約一ヶ月後には一般財団法人電気技術者試験センターにて合否の確認をすることが出来ます。
技能試験の救済措置
学科試験に合格して技能試験が不合格だった場合
次回の試験の学科試験が免除され、技能試験を受験することができます。
免状交付
技能試験に合格した受験者は免状の交付申請を出し免状を取得することができます。
各対象(※)の都道府県知事に条例で定められている手数料を納付します。
(※住民登録のある都道府県です。現在住んでいてもその都道府県の住民票がなければ申請できません)
申請に必要な書類を下記にまとめました
申請に必要な書類 | 備考 |
①免状交付の申請書 | WEBダウンロード可 |
②試験合格はがきの原本 | 試験センターから郵送 |
③証明写真1枚 | 各設置のスピード写真等 |
④申込手数料:¥5,300 | 現金又は、収入証紙 |
⑤住民票 | 役所にて発行 |
各都道府県により必要書類に違いがある場合があり、その場合申請する都道府県の最新の情報で必要書類を確認して下さい。上記の書類を揃えたら、申請窓口に提出します。
申請書類に不備が無ければ、申請してから約1ヶ月で自宅に届きます。
これで晴れて電気工事士としてスタートすることができます。
【お悩み解決】よく頂く質問に回答
最後に第二種電気工事士について、よく頂く質問に回答していきます。
※タップでページが開きます
オススメします。理由は独学に比べて圧倒的に理解度が高まるからです。
独学でよくあるパターンは「暗記で逃げ切り合格」。よく分かっていないけどとりあえず取れた資格と、しっかりと電気工事の事を理解した合格では全くの別物です。
▼第二種電気工事士のオススメ通信講座はコチラ
第二種電気工事士は経済産業省が定める国家資格で、電気の専門職を目指す人がまず最初に挑戦して取得する資格です。
住宅や店舗などの電気工事がメインで、屋内の配線や照明器具の取り付けといった基礎的な工事ができます。(※受電電圧600V以下の一般電気工作物の電気工事)
電気工事士には必須ですが、DIYで電気工事を行う方にも需要のある資格で毎年多くの受験者がいる人気の国家資格です。
▼第二種電気工事士の資格についての記事はコチラ
第二種電気工事士合格率は約60%と言われています。これは国家資格とよばれるジャンルの中では比較的優しい資格になります。
とはいえ毎日コツコツ勉強しないと合格は厳しく、特に技能試験は工具を触ったことのない人にとっては難しく感じると思います。
▼試験の合格率についての記事はコチラ
完全な独学でテキストや工具を買い揃えた場合は約55,000円程かかります。決して安い金額では無いのでテキストや工具の選び方は失敗しないようにしたい所です。
▼資格にかかる費用についての記事はコチラ
独学で第二種電気工事士に挑戦するなら「200時間」を目安に考えましょう。多いと感じるかもしれませんが、短期間で「丸暗記」に近い状態で取得しても知識は身につき付きません。
約3ヶ月、理解しながらじっくりと取り組むことが大切です。
▼第二種電気工事士の勉強時間についての記事はコチラ
電気工事士として働くなら「認定電気工事従事者」の資格がおすすめです。試験は無く、第二種電気工事士の免状を持っている人なら誰でも講習を受ければ交付されます。
第二種電気工事士の作業可能範囲を拡大してくれるのが特徴で、現場によっては認定電気工事従事者の資格が必要な所も出てきます。
▼「認定電気工事従事者」についての記事はコチラ
電気工事士関連の老舗、オーム社出版の「すいーっと合格シリーズ」。このテキストは、図解・イラスト・写真などを豊富に使った分かりやすい内容が特徴です。
実は筆者も第二種電気工事士を取得した際は、すいーっと合格シリーズを使って勉強していました。初心者さんにとって勉強のハードルを低くしてくれる良書だと思っています。
▼すいーっと合格シリーズ(学科・技能・過去問)の書評・口コミをまとめた記事はコチラ