今回はこのような悩みに答えていきます。
- 電気工事で使う作業手袋
本記事は、電気工事で必要な手袋を知りたい人向けの内容です。手袋の必要性の解説、そしておすすめの手袋を紹介していきます。
実は電気工事においてイメージするのは「感電を防止する絶縁手袋」ですが、実際の現場ではその他色んなシーンに合わせた手袋が存在します。
この記事で、より詳しい手袋の知識を深めつつ、現場にお役立て下さい。
電気工事で使う手袋【4つの必要性】
①感電を防止するため
②様々な状況から手を保護する
③作業効率を上げるため
④着用する場面の使い分け
①感電を防止するため
電気工事において、感電を予防することは絶対条件。そのために必要なのが「絶縁性能を持つ手袋」です。
上記画像のとおり絶縁手袋には「低圧用」と「高圧用」の2種類があります。低圧と高圧の違いは下記の通り
■低圧
・交流電圧が600V以下、直流750V以下
■高圧
・交流電圧が600V超(直流750超)〜7,000V
実のところ絶縁手袋は常に着用しているわけではなく、作業によって使い分けることがほとんどです。
例えば低圧なら電灯盤での作業、高圧ならキューブビクルでの作業という感じ。
絶縁手袋を着用する場面は、活線状態の設備に対して作業する場合。ブレーカーを落とし無電圧を確認した後は通常の作業用手袋に切り替える事が多いです。
②様々な状況から手を保護する
現場には鋭利、尖っている、熱い、冷たい、様々なモノに触れることになります。手袋には先述した「絶縁手袋」以外にも用途別に種類があります。
・絶縁手袋→電気を通さない
・切創防止手袋→刃物を通さない
・防水手袋→水を通さない
・耐油手袋→油を通さない
・品質管理手袋→仕上げを汚さない
・一般作業用→グリップが効き使いやすい
③作業効率を上げるため
手袋を着用し怪我のリスクを減らす、ということは作業効率を上げることに繋がります。
その理由はケガを気にせずに作業が出来るから。
例えば配線作業の場合ケーブルを扱う際、手に摩擦が生じます。
大きな怪我には繋がりませんが、皮が向けたり汚れたりして手がボロボロになります。
それが手袋をしていれば気にすることなく作業に集中することが出来ます。身を守る保護具は作業効率を上げる効果もあるんです。
④着用する場面の使い分け
手袋の着用は重要ですが、手袋を”しない”こともまた大切です。作業の内容によっては素手の方が捗る場合があります。
現場作業であえて素手でする作業
☑️結線などの細かい作業
☑️盤設置など手袋だと手が滑る作業
☑️小さなネジなどを扱う作業手先の感覚や、手の滑りを防止するには素手の方がいい場合もありです#電気工事士
— でんちゃん@でんきのしょくにん (@denchan_ew) December 6, 2020
現場作業であえて素手でする作業
・結線などの細かい作業
・盤設置など手袋だと手が滑る作業
・小さなネジなどを扱う作業
手先の感覚や、手の滑りを防止するには素手の方がいい場合もありです
上記ツイートの通り、指先の感覚が大事になる細かい作業や、盤など手袋では滑りやすい重量物は手袋をしないほうがいい場合もあります。
作業別のおすすめ手袋紹介
一般作業用手袋
現場作業でメインで使うことになる作業用手袋です。スタンダードなタイプで扱いやすく手に馴染みやすいのが特徴です。
- 自分の手にあったサイズを選ぶ
- ゴム臭のないものを選ぶ
- 指先の感覚が掴み易いものを選ぶ
使用する頻度が多い手袋なので、自分にあったベストな一着を探すようにしましょう。
切創防止手袋
切創防止機能がついた手袋、切断作業が多い場面で着用します。
作業例としてセーバーソーを扱う「デッキ開口」があります。大型現場となると一週間以上もセーバーソーでデッキの切断作業を行うこともあります。
とうぜん切創事故を起こす確率が高くなるので、切創防止手袋は必須と言えます。
また切創防止レベルというものが設定されていて、現場で使うものとしては最高レベルの「5」を選ぶようにしましょう。
防水手袋
泥や油汚れ、水に濡れる可能性のある作業には防水手袋の着用をおすすめします。
作業において手の状態はとても重要。不快感を感じながら作業を進めると、想像以上にストレスを感じます。
小さなことが原因でミスやケガの可能性は上がります。そこで防水手袋の着用が効果的なんです。
注意点として、防水手袋は厚手の物が多いため指先の感覚は薄くなります。細かい作業がある場合は素手に切り替えるようにしましょう。
絶縁手袋
低圧用の絶縁手袋で、低圧(交流電圧が600V以下、直流750V以下)の活線作業、活線近接作業で感電防止の目的で使用します。
高圧用の絶縁手袋で、高い絶縁機能を備えているゴム製の手袋です。使う場面は、高圧受電設備での作業で使用します。(交流電圧が600V超(直流750超)〜7,000V)
どちらも活線作業に関わる場合は着用必須。素手での作業は死亡事故に繋がると考えて間違いありません。
耐油手袋
電気工事ではそこまで使用頻度は多くないものの、汚れが酷い場所(ピット内作業)などで使用すると便利です。
特に汚水ピットの作業は環境が悪く、衛生的にも気をつけたい所です。こういった耐油手袋などを使う場面では安全長靴やヤッケもセットで揃えておくと安心です。
軍手・品質管理用手袋
軍手・品質管理用の手袋は仕上げ作業の際に着用します。
- 照明器具取り付け時
- システムボードを扱う場合
- 盤内アクリルボード清掃時
ケガ防止の為ではなく、仕上げ物を汚さないことが目的になります。
まとめ
- 手を保護し、作業効率を上げる
- 作業の内容によって着脱を分ける
- 作業の内容によって種類を使い分ける