こういった疑問に答えます。
スラブ配管に関する基礎知識
本記事では電気工事の「スラブ配管」について解説します。
「スラブ配管がわからない」
「具体的な作業手順を教えて欲しい」
こういった方向けの内容になっています。スラブ配管は簡単にいうと「建物の骨組み段階で先行して配管する作業」というのがしっくり来ると思います。
基礎知識から施工方法、施工のポイントを解説、現場で役立つ知識をお届けします。
電気工事のスラブ配管作業
🔽電気工事の作業「スラブ配管」
・建物の骨組み段階で先行して配管する作業
・コンクリ強度を保つため細かいルールがある
・配管には後々通線をする新人の頃は「何の為の作業」なのかが理解できず、言われたままに仕事してた。作業の意味を知るのことはとても大事☺️
— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) February 13, 2022
電気工事の作業「スラブ配管」
・建物の骨組み段階で先行して配管する作業
・コンクリ強度を保つため細かいルールがある
・配管には後々通線をする
新人の頃は「何の為の作業」なのかが理解できず、言われたままに仕事してた。作業の意味を知ることはとても大事☺️
重要なことは上記のツイートが全てですが、それだとイメージが湧きにくいと思うので本記事で深堀りしていきます。
スラブ配管とは?
スラブ配管とは躯体工事(建物の骨組み段階)でコンクリートを打ち込む前に配管をする作業です。鉄筋工の配筋が終わった後にスラブ配管の作業に入ります。
躯体段階で配管をすることで
内装工事(建物の仕上げの工事)での配線が楽になります。後の作業工程を大幅にカットするメリットがあります。
スラブ配管と後施工配管の違い
具体的に、スラブ配管と後施工配管の作業工程の違いをまとめました。
スラブ配管 | 後施工配管 |
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スラブ配管 | 後施工配管 |
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上記の通り、後施工配管の方が作業量が多くなります。
スラブ配管に使う工具
- ドリルドライバー
- ホールソー
- ハッカー
ドリルドライバー
電線管を通す穴を開ける際に使用します。穴を空ける数が多い場合は、ハンマードリルを使うほうがいい場合もあります(工具に負担がかかる為)
ホールソー
電線管を通す”丸い”穴を空けるための道具、スラブ配管では床に敷かれたデッキプレートに穴を空けます。
ちなみに、下の階層に鉄の切り屑が落ちないように「ストッパー付きセンタードリル」を使うと安全。
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ハッカー
電線管を鉄筋に支持(縛り付ける)為の工具。元々は鉄筋工がメインで使う工具ですが、電気工事でも使用することになります。
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スラブ配管の施工方法
スラブ配管には、コンクリートの強度を落とさないように細かな配管ルールがあります。施工をしたあと検査を受け、問題なければコンクリート打設に入ります。
- 鉄筋の交差部分への配管はNG
- 配管の結束間隔は1m以内
- 梁へ並行配管は500mm以上離隔する
- 配管同士は30mm以上間隔を開ける
スラブ配管の施工手順
スラブ配管の施工手順について解説していきます。初心者の方に向け、基本となる配管方法で進めていきます。
①穴を空ける
②PF配管(CD管)を配管
③配管を結束する
①穴を空ける
ドリルドライバーなどの回転工具を使いホールソーで穴を開けます。
ホールソーのサイズは通す電線管のサイズに合ったモノを使います。
・PF管(CD管)サイズ16だと21mm
・PF管(CD管)サイズ22だと33mm
ポイントとしては電線管に対して大きすぎず、小さすぎずが理想。
なぜなら、穴が大きいとコンクリート打設の際にスキマからコンクリートが漏れてしまうから。一方で小さ過ぎると電線管が入りません。
②PF配管(CD管)を配管する
開けた穴に合成樹脂管(PF管又はCD管)を鉄筋の下に這わせ配管していきます。画像は見やすいように鉄筋は簡略化しています。
スラブ配管工事においてはこの配管作業が最も重要で、コンクリートの強度を落とさないように細かいルールに沿った施工をしていく必要があります。
スラブ配管には細かいルールがあり、この後に控えるコンクリート打設は電気の自主検査、建築の検査を通さなければ工程が進みません。
ココ最近では強度を落とさないようにするため、そもそもスラブ配管自体をなくす工事も増えてきています。それほどに重要な部分でもあります。
③配管を結束する
ハッカーを使い電線管を結束線で結束してきます。結束の支持間隔は原則1m以内。
注意点として結束をした際に出るヒゲ(結束線の余りの部分)は必ず鉄筋の下に向けるようにします。
なぜなら、コンクリート打設後に結束線が床から飛び出ないようにするため。
スラブ配管時の注意点
具体的に注意しなければいけないポイントは主に3つ
①電線管が潰れないようにする
②電線管の中に石やゴミを入れない
③電線管の曲がり角度を緩やかにする
①電線管が潰れないようにする
電線管は潰れないように細心の注意を払う必要があります。なぜなら、潰れてしまうと通線ができなくなってしまうから。
配管後は色んな人が鉄筋の上を歩きます。中には配管を踏みつけてしまう人もいるので、施工後はこまめにチェックする必要があります。
②電線管の中に石やゴミを入れない
電線管の中に石やゴミが入ると通線時にひっかかり、ケーブルが通らなくなる場合があります。
特に配管を上向きに立ち上げる場合、ゴミが入る可能性があるのでガムテープ等で管口を塞いでおくと安心です。
③電線管の曲がり角度を緩やかにする
電線管の曲がり角度がキツくなると通線が難しくなります。緩やかな角度で配管することが重要。
スラブ配管はコンクリート打設で見えなくなる配管なので、見た目よりも配線のしやすさを重視するべき。
多少見栄えが悪い大きな曲がりでも、先述の配管ルールを守っていればOKです。通線の事を最優先にしましょう。
まとめ
- 建物の骨組み段階で先行して配管する作業
- コンクリ強度維持の細かいルールがある
- 後の通線を考えた配管を意識する
- 作業の目的を知り注意点を知る
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