今回はこういった悩みに答えます。
- のの字曲げ(輪作り)の手順解説
本記事では心線の「のの字まげ(輪作り)」について解説しています。
「輪作りが上手く出来ない」
「コツを教えて欲しい」
こういった悩みを持っていませんか?この記事を読むことで、VVFストリッパーとペンチを使った2種類の輪作り方法を理解することができます。
記事後半では5種類の欠陥例も合わせて解説。技能試験、実践現場ともに役立つ内容でお届けいたします。
のの字曲げ(輪作り)で使用する工具
本記事ではVVFストリッパーとペンチの2種類の工具使ってそれぞれの作業を解説していきます。
VVFストリッパーを使った「のの字曲げ(輪作り)」
VVFストリッパーはこれ一本で「切断・剥ぎ取り・測る・曲げる」作業ができる多機能な工具です。
輪作り以外にも活躍する場面が多く、技能試験では必須の工具といっても過言ではありません。
一本で多くの作業がカバーできることの利点は工具の持ち替える手間を省けること。VVFストリッパーを使えば大幅な時間短縮が出来るようになります。
手順①:外装被覆を剥く
外装被覆 | 絶縁被覆 | |
露出形コンセント | 30mm | 20mm |
ランプレセプタクル | 40mm | 20mm |
画像解説では、ランプレセプタクルの被覆剥き寸法で行います。
外装被覆を40mm剥きます。VVFストリッパーの目盛りを使うとスケールを使う手間が省けます。
ケーブルはVVF2.0mm2芯なので「2.0×2」に合わせます。
被覆を剥く時のコツはストリッパーを握ったままではなく、少し刃を浮かせて横へスライドさせると絶縁被覆にキズが付きにくくなります。
手順②:絶縁被覆を剥く
ストリッパーに付いている目盛りを使い、20mmの長さで絶縁被覆を剥きます。
ケーブルはVVF2.0mm2芯なので「2.0×2」に合わせます。
剥ぎ取りは外装剥きの時と同じく、刃を入れた後は少し浮かせて横へスライド。(心線にキズが付きにくい)
絶縁被覆の長さはランプレセプタクルは20mm、露出形コンセントは10mm残しとなります。
手順③:心線を曲げる
絶縁被覆から約3mm離し直角に曲げる、この3mmが輪作りの首部分になります。
約3mmはストリッパーの先端プライヤーの厚み分なので目安にして下さい
心線の先端を持って曲げていきます。
時計回りに手首を返しながら曲げていくのがコツ。
ランプレセプタクルや露出形コンセントのねじサイズであれば、1回で曲げきって丁度いい輪の大きさになります。(大きさを調整する場合、心線を長く向いて摘む場所も調整する必要アリ)
曲げた先端がしっかり円の状態になるまで曲げます。
ペンチを使った「のの字曲げ(輪作り)」
ペンチを使った輪作りの方法を解説していきます。VVFストリッパーでの輪作りと比べると少し手順が多く手間がかかります。
ただし現場ではペンチを使って輪作りをする職人さんが多くいます。ペンチの輪作り方法もしっかり覚えて現場に役立てましょう。
手順①:被覆剥き〜クランプ曲げ
絶縁被覆を剥きます、長さは大体50mmくらい。短すぎるとこの後の折り曲げがやりづらくなってしまいます。(外装向きは機械式ストリッパーや電工ナイフを使用)
被覆から2〜3mm離したところでペンチを挟む。この長さが輪っかの「首」の部分になります。
ペンチを挟んだままクランプ形に折り曲げる。ペンチを固定して、心線を指で折り曲げるときれいに曲がります。また、水平に真っ直ぐ曲げないと捻った輪になるので注意
不要な部分を切り取る。下図の様にペンチをピッタリと当てて切ります。このちょこっと曲がった先端部分が、キレイな輪っかを作ります。
手順②:心線を曲げる
心線をペンチ幅の半分の位置で挟みます。この心線を挟む位置で輪の大きさを調節することができます。感覚の話になってきますが大事なポイント。
ペンチを回し心線を曲げます。感覚として「ペンチが回らなくなる一歩手前くらい」まで回します。
ペンチを持ち替えて、心線の先端を挟みます。コツはペンチの角で摘むように挟むこと。
心線が輪っかになるまで曲げます。手首を返しながら、一回で曲げる事でキレイに傷付けず作ることができます。
のの字曲げ(輪作りは)どの工具で使う?
参考までに、私の運用するTwitterとInstagramでアンケートをとってみました。
心線の「のの字曲げ(輪作り)」はどれで作りますか?
— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) March 13, 2022
【おまけ】ニッパーとドライバーを使った「のの字(曲げ輪作り)」方法
おまけでニッパー、ペンチを使った輪作りもあります。技能試験では使えませんが、現場で使えるテクニックなので電気工事士の方は参考にしてみて下さい。
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ニッパーをメインで使う職人さんがよくやる方法。ペンチを使うよりも工程が少ないので速く作ることができます。ただ心線を傷つけるリスクが高いので上級者向け。
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ドライバーを使った方法はあまりやってる人は少ないかもしれません。ただ、大量に輪作りをする作業(例えば盤結線)では役立つテクニック。一定の大きさで傷つけることなく正確に輪作りができます。
のの字曲げ(輪作り)の欠陥例
のの字曲げ(輪作り)欠陥例を解説します。技能試験では欠陥が一つでもあれば失格になるので、確実に覚えるようにしておきましょう。
のの字曲げ(輪作り)の正しい施工
ねじの締まる方向に輪の向きを合わせます。
欠陥例①:左巻きに取り付け
ねじの締まる方向と逆に付けた場合、輪が広がってしまう可能性がアリ。心線を曲げる際はねじの方向も考えつつ曲げる必要があります。
欠陥例②:輪が短い
ねじの円周3/4以下で欠陥になります。逆に言えばそれまではセーフなので少し輪が広がっている程度なら問題なし。
欠陥例③:輪が重なっている
心線の曲げすぎで重なっているパターン。画像は少し極端な例ですが、勢い余って曲げ過ぎないように注意。
欠陥例④:心線が出ている
輪作りの方法が分かっていれば、まずありえないミス。手順を覚えよう。
欠陥例⑤:輪が大きくはみ出ている
慣れないうちはやりがちなミス。キレイな輪を作れるまで練習が必要。
どこからどこまでが欠陥の線引きなのかを知ることが大切です。神経質になりすぎず、ゆるくなりすぎずが理想です。手に感覚が馴染むまで練習すること。
まとめ
- 技能試験ではVVFストリッパーの輪作り
- 現場ではペンチの輪作り推奨
- 欠陥の線引きを知ることが大切
- 手が感覚を覚えるまで練習する
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