今回はこのような悩みに答えていきます。
- スイッチの知識
- スイッチの種類・図記号
この記事を読むことで、第二種電気工事士の学科試験で学習する「スイッチ」について理解することができます。
内容としては学科試験で学ぶべき全20種類のスイッチを網羅的に解説しています。
「20個もあるの!?無理過ぎる…」
そう思うかもですが、それぞれ見た目が違うものが多いので直感的に覚えていくことができます。
【第二種電気工事士】スイッチの種類と図記号
第二種電気工事士で出題の可能性のあるスイッチの種類と図記号を解説していきます。用途を理解した上で、図記号・写真・名称をセットで覚えていきましょう。
単極スイッチ(片切りスイッチ)
単極スイッチ(別名:片切りスイッチ)は照明の点滅に使うスイッチです。ONにすると照明が点灯し、OFFにすると消灯。
一般的な家庭でよく使われるのがこの単極スイッチになります。
スイッチ結線の基本となる「片切り結線」は、この単極スイッチを使った結線方法で電気工事の基本作業。複線図も合わせて理解しておくと技能試験でも役立ちます。
🔽単極スイッチ結線の図解
1番基本となるスイッチ結線です。
「スイッチと返り線だけ色違い、その他は同じ色を繋ぐ」と覚えると分かりやすいと思います。
電気の流れが、非接地側→スイッチ→照明→接地側と
一筆書きになっていれば正解です😌 pic.twitter.com/xFNuhiWEbM— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) June 16, 2021
2極スイッチ(両切スイッチ)
2極スイッチ(別名:両切りスイッチ)は照明を入り切りする、と言うことでは単極スイッチと同じですが内部構造が違います。図記号の「2P」は2極という意味。
2つある電路の両方を入り切りするので2本に電気が流れる200Vの機器に使われます。単極スイッチに比べ安全性が高いのが特徴。
3路スイッチ
3路スイッチは2箇所以上から照明の点滅をさせるスイッチです。図記号の「3」は3路という意味。
階段の照明を上下で操作したい場合や、広い会議スペースなどで入り口が二つある場合など幅広い用途で使用されます。
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4路スイッチ
4路スイッチは3箇所以上から照明の点滅をさせるスイッチ。見た目は3路スイッチと同じですが内部構造が違います。図記号の「4」は4路という意味。
使い方としては「2箇所=3路スイッチ、3箇所以上=4路スイッチ」となります。
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表示灯内蔵スイッチ
表示灯を内蔵したスイッチ。確認表示灯の「L」はLight(光)の頭文字で、位置表示灯はホタルスイッチとも呼ばれ「H」はホタルの頭文字。
各スイッチの特徴は下記の通りです。
- 確認表示灯:ON状態で負荷が点灯していることをスイッチで知らせる
- 位置表示灯:OFF状態で表示灯が点灯しスイッチの場所を知らせる
✔︎確認表示灯
室内からは点灯しているか確認のしづらいトイレや換気扇などに使われることが多い。
✔︎位置表示灯
夜間や暗い場所などでスイッチの位置が分かりづらい場所で使用さることが多い。
パイロットランプ
パイロットランプ(表示灯)はスイッチと組み合わせることで、スイッチの位置や照明器具の動作状態を確認する事ができます。
先述の表示用内蔵スイッチから表示灯だけを抜き取ったモノ。スイッチとの組み合わせと結線方法を変えることで下記のような使い方ができます。
- 常時点灯:常に点灯している
- 同時点滅:スイッチと同時に点滅する
- 異時点滅:スイッチとは逆の点滅をする
・常時点灯
常時点灯は常に電気が流れている状態、「コンセント」を繋ぐつもりで複線図を書くと理解しやすい。
・同時点滅
同時点滅はスイッチONで点灯、OFFで消灯(スイッチと同じ動き)。「照明」を繋ぐつもりで複線図を書くと理解しやすい。
・異時点滅
異時点滅はスイッチがONで消灯、OFFで点灯(スイッチと逆の動き)。「スイッチ」のつもりで複線図を書くと理解しやすい。
自動点滅器
光センサーを内蔵していて暗くなると自動的に照明を点灯させるスイッチ。
自動的に点滅するため消し忘れ防止に役立ちます。
図記号の「A」はAuto(自動)の頭文字。
マンション共用部の照明、街路灯や屋外灯などに使われることが多い。
調光器
調光器は照明の明るさを調節することができます。
主に住宅ではリビングや寝室などで使用。
また店舗などで演出を施す際にも調光器が使われます。
プルスイッチ
プルスイッチは壁付けでヒモを使って照明を点滅させるスイッチ。図記号の「P」はPull(引く)の頭文字。
一昔前の一般住宅ではよく使われていましたが、近年ではスイッチやリモコンで点滅させることがほとんどであまり使われなくなりました。
押ボタンスイッチ
押しボタンスイッチは主にチャイムなどを鳴らす際に使用。内部動作としては下記の通りです。
- 離す→接点が開く
- 押す→接点が閉じる
キャノピースイッチ
キャノピースイッチはヒモつきのスイッチで、先述のプルスイッチとは違い器具に直接つけて使用。こちらも近年ではあまり見なくなったスイッチ。
防雨形スイッチ
防雨形(防水型)スイッチは防水仕様になっているスイッチ。図記号の「WP」Waterproof(防水)の省略文字。
屋外に設置する場合はこの防雨形スイッチの使用が原則。たとえ軒下等で直接雨が当たることの無い場所であっても、湿気によって絶縁不良やサビの原因になる場合があります。
コンセントも同様に防雨形を使用。
防爆形スイッチ
防爆形スイッチはONOFFの動作時に起きるわずかな電気火花による爆発や、引火を防ぐためのスイッチ。
図記号の「EX」はExplosion(爆発)の省略文字。石油や天然ガスなどの爆発性のある施設での使用が定められています。
遅延スイッチ
遅延スイッチはOFFにする際に時間差で動作するスイッチ。図記号の「D」はDelay(遅延)の頭文字。
このタイプは切り替え後、約30秒ほどで消える仕組みになっています。
遅延スイッチ(照明・換気扇)
遅延スイッチ(照明・換気扇)はOFFにする際に時間差で動作するスイッチ。
図記号の「DF」はDelay fan(遅延・換気扇)の省略文字です。特徴としてはOFFの際に照明はすぐに消え、換気扇が約3分ほど遅れて切れる仕組み。
熱線式自動スイッチ用センサー
熱線式自動スイッチ用センサーは人の僅かな動きを捉えて、照明器具を自動でON/OFFします。
人の出入りが多い場所会議室やトイレ、事務室などに使われます。主にダウンライト(埋め込み器具)と組み合わせて使用。
スイッチを設ける必要がなく省エネにもなるので近年では主流になっています。
リモコンスイッチ
リモコンスイッチは照明をリモコンリレーを使って点滅させるスイッチ。24Vの低電圧で動作できるので安全性がある。
図記号の「R」はRemote(遠隔)の頭文字。リモコン配線は複数の照明の点滅を制御できるため広い部屋や事務室で使われることが多い。
リモコンセレクタスイッチ
リモコンスイッチが集合したもの。照明制御装置で「アドレス」を振り分けリモコンセレクタスイッチ(リモコンスイッチ)でON・OFFするためスイッチ結線の必要はありません。(上記リモコンスイッチも同様)
照明制御装置で様々な設定が出来るのが強みで、具体的には下記のような点滅が可能です。
- 一斉点灯・一斉消灯
- 特定のエリアのみ点灯・消灯
リモコンリレー
リモコンリレーはリモコンスイッチや照明制御装置からの信号を受けて、ON/OFFするための機器で盤内に組み込まれています。
図記号で複数リモコンリレーが付く場合はその数を記号に表記します。
リモコントランス
リモコン配線用の変圧器で100V/200Vの電圧を使用電圧の24Vに変圧する機器。
図記号の「T」「R」はそれぞれTransformer(変圧)、Remote(遠隔)の頭文字。
上記「盤内の設置例」の様にリモコンリレーと共に盤内に組み込まれます。
さいごに
恐らくスイッチの種類の多さにビックリしたと思います。(実はまだまだあります)
全て理解して覚えなきゃいけないの?と心配になるかもしれません。
でもそんなことは無く、電工2種学科試験の勉強の仕方として大切なことは
写真+名前+図記号の一致(暗記)
まずはこれなので、用途や仕様に関しては後々ゆっくりと覚えていく方法でもOK。
暗記系は点取科目なので一つでも多く覚えていくことをオススメします。