今回はこういった悩みに答えます。
- 学科試験の計算問題について
第二種電気工事士の学科試験の中でも頭を悩ます「計算問題」。実のところ苦手なら捨ててしまっても大きな影響はありません。
というのも計算を扱う以外の科目でも充分に合格点をカバーできるから。本記事を読むことで学科試験への考え方を見直せるとともに、より合格へ近づくための考え方を伝授します。
【第二種電気工事士】計算問題はなぜ捨てていいの?
「計算問題」と聞いただけで拒否反応を起こしてしまう人、多いと思います(私もそうです)。ただ冒頭でも言ったとおり、苦手なら捨ててしまってもOK。
- 計算問題以外の科目でカバーできる
- 時間配分の優先度が重要だから
- 計算式は資格取得後で活かす場面が少ない
計算問題以外の科目でカバーできる
学科試験は全50問(1問2点)で構成されていて、その中で計算問題は約5〜6問出題されます。
学科試験の合格ラインは60点なので計算問題以外の科目でも充分にカバーすることが可能。※下図は科目別出題数の内訳
出題科目 | 出題数 | |
一般問題 | ①電気の基礎知識 | 5〜6問 |
②配線理論と配線設計 | 5〜6問 | |
③電気機器・配線器具と材料及び工具 | 4〜5問 | |
④電気工事の施工方法 | 5〜6問 | |
⑤一般電気工作物の検査方法 | 3〜4問 | |
⑥一般電気工作物の保安に関する法令 | 3〜4問 | |
小計 | 30問 | |
⑦配線図 | ⑦-1 図記号 | 10〜12問 |
⑦-2 複線図 | 4〜5問 | |
⑦-3 配線器具・工具・施工方法 | 7〜8問 | |
小計 | 20問 |
第二種電気工事士の勉強方法については【知っておくべき】第二種電気工事士の勉強時間「200時間」の理由の記事で深堀りしているので参考に。
時間配分の優先度が重要だから
計算問題の得意、不得意に限らず問題を解く優先度はとても重要です。なぜならどの問題も正解すれば同じ1点になるから。
例えば10分かけて解いた計算問題も、5秒で解けた工具の識別問題も同じ1点です。一番効率よく試験を進めていくには、出題数が多くて難易度が低い問題から解き始めること。
受験者の中には計算問題では、答えを全部「イ」や「ロ」など始めから決め打ちしている人も割といます。
極論、学科試験は4択のマークシート方式なので、当てずっぽうで答えても1/4で正解します。時間の効率性を重視するなら、こういった作戦もアリ。
計算式は資格取得後で活かす場面が少ない
実のところ、電気理論で覚える公式や計算式が活きる場面はほとんどありません。実際現場で使うのは寸法の計算程度で四則演算がほとんど。
DIYに関しても、作業の過程でオームの法則、電力量の計算などが必要とされることはありません。
なので計算問題を捨てても特にその後に大きな影響は無いと言えます。
第二種電気工事士の理論科目が必要な理由
計算問題を扱う理論科目は捨てていい、でも本質を理解することが大切です。
多くの人は数字や計算に目が行きがちですが、何の為の理論なのかを考えることで現場作業に活かすことができます。
異常に気づくきっかけになる
電気理論の理解にはどんな施工ルールが当てはまるのか、またどんな危険が起こり得るのか、といった紐付けが重要になってきます。例えば下記のようなパターン
電気抵抗を理解している
↓
現場にて電気抵抗が大きい(電気の流れが悪い)ケーブルを発見
↓
【原因①】ケーブルにキズ等不具合があるかも
↓
【原因②】ケーブルの結線に問題があるかも
重要なことは、電気抵抗の計算式ではなく「電気抵抗が大きいと電気が流れにくくなる」と知っていること。
このように本質を理解すると現場での異常にいち早く気づくきっかけに繋がります。
その後の資格へのハードルが下がる
第二種電気工事士を取得したあとは、第一種電気工事士や電験三種に挑戦する方が多くいます。
今後電気系の資格を取っていくにあたり、第二種電気工事士の時点で計算問題の取り組み方に慣れておけばその後の資格へのハードルが大きく下がります。
特に電験三種は計算問題が解けないと確実に合格できないので、苦手な人は今のうちから慣れておくことをオススメします。
まとめ
- 計算は捨てても他の科目でカバーできる
- 試験では簡単で出題数の多い問題から解く
- 計算式は現場でほとんど活かされない
- 電気理論の本質と実作業の紐付けが大切
- 今後の資格の為に慣れておく
第二種電気工事士の資格をまとめた第二種電気工事士完全攻略マニュアル【試験申し込み〜合格まで解説】もオススメです、是非御覧くださいませ。