今回はこのような悩みに答えていきます。
- リングスリーブについての知識
- リングスリーブに使う圧着工具の知識
本記事は電気工事で使う「リングスリーブ」について解説しています。
「使い方やサイズが覚えられない」
「どんな圧着工具を使えばいいのか知りたい」
こういった悩みを抱えていませんか?実践現場でも技能試験でも使用頻度の高いリングスリーブ。正しい知識を身につけることは電気工事の絶対条件。
この記事を読むことでリングスリーブの使い方からサイズの覚え方、圧着工具の知識を身に付けることができます。
さらに記事後半では、圧着接続の手順〜テープ巻きの方法までを解説。技能試験や実践現場で役立つ内容でお届けします。
リングスリーブの基礎知識
リングスリーブとは?
「リングスリーブ」
技能試験で出てくる電線の接続作業で使う材料です。
接続方法を間違えると欠陥になり失格していまいます。
現場でもよく出てくる接続方法なので正しい知識を付けることが大切です。
リングスリーブのサイズ・電線の本数・圧着ダイス・心線の状態など注意することが多い作業です📝 pic.twitter.com/f6YsJuXSDQ— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) June 1, 2021
「リングスリーブ」
技能試験で出てくる電線の接続作業で使う材料です。接続方法を間違えると欠陥になり失格していまいます。
現場でもよく出てくる接続方法なので正しい知識を付けることが大切です。リングスリーブのサイズ・電線の本数・圧着ダイス・心線の状態など注意することが多い作業です
リングスリーブのサイズ
リングスリーブには「小・中・大」3種類のサイズがあります。
サイズによって接続する電線の本数が変わってきます。
サイズ | 電線の組み合わせ |
小 | ・1.6mm 2〜4本 ・2.0mm 2本 ・2.0mm 1本+1.6mm1〜2本 |
中 | ・2.0mm 1本+1.6mm3〜5本 ・2.0mm 2本+1.6mm1〜3本 ・2.0mm 3〜4本 |
サイズが小さいのに無理やり電線を押し込んだり
サイズが大きすぎるのに少ない電線でスカスカのまま圧着するのはNGです。
適切な本数に対して適切なスリーブのサイズを使うことが大切です。ちなみに技能試験では「大」スリーブは使いません。
リングスリーブ(商品)
代表的なメーカーは「ニチフ」です。
技能試験練習で足りなくなった場合は追加で購入する必要があります。
候補問題練習の他に、接続単体で練習したい方は参考に。
リングスリーブ(小)
リングスリーブ(中)
リングスリーブ(大)※技能試験では使いません
リングスリーブの圧着工具
リングスリーブを圧着するには専用の圧着工具を使用します。
- 圧着ダイス
- ラチェット機構
- 持ち手が黄色
・圧着ダイス
圧着ダイスには「特小(○)・小・中・大」と4種類あります。スリーブのサイズに対して適切な圧着ダイスでかしめなければいけません。
特に特小(○)と小の間違えが多いため注意が必要。
・ラチェット機構
ラチェット機構のため途中で手を離しても持ち手が戻ることが無いので、少しづつ力を入れてかしめていくことができます。
・持ち手が黄色
圧着ペンチにはリングスリーブ用以外にも様々なタイプの工具があり、見た目で判断が付くように持ち手が黄色になっています。
その見た目から略して「黄色のアッペン」と呼ばれたりします。
リングスリーブの圧着方法〜絶縁テープ巻き
電気工事士の技能試験ではテープ巻き作業は省略されています。でも実際の現場では、必須の作業になるので必ず覚えておきましょう。
手順①:リングスリーブの圧着
ケーブルの被覆を剥きます、VVF2.0mm-2cを3本を使用。(剥く作業は省略)
絶縁電線を揃えてリングスリーブを入れる。(中サイズ)リングスリーブと絶縁電線の間は約2mm程空けます。
圧着工具の中ダイスで圧着、この際リングスリーブが動いてしまわないように注意。
リングスリーブが絶縁被覆に食い込んでしまうと欠陥。反対に5mm以上離しても欠陥になります。
圧着はリングスリーブの真ん中部分を狙います。下図のように「中」の刻印が入っていることを確認。
手順②:心線を切断する
「ペンチ」でリングスリーブから出た心線を切断。下図のように少し残すのがポイントです。
ちなみに、現場では角が立たないようにニッパーを使いツライチで切断します。技能試験ではペンチを使うので間違えないように。
手順③:絶縁テープ巻き
絶縁テープの幅半分を重ねながら巻いていきます。この際、テープを引っ張りながら密着させるように巻くのがポイント。
リングスリーブの先端を超えてからも、2周ほど空の状態で巻く。先端をしっかりと絶縁する頭の部分になります。
上記の状態のまま根元に巻き返す。
1周目と同じようにテープ幅の半分を重ねながら巻いていきます。
頭まで巻き上げたら、約5周ほど重ねて巻く。リングスリーブの部分をしっかりと絶縁するためです。
最後の巻きは引っ張らないように巻くのがポイント。引っ張った状態で切ると縮んでテープが剥がれる可能性があります。
もう一本も同じように巻いて完成。
リングスリーブを入れにくい場合の方法
リングスリーブは心線が多くなると入れにくくなり、その場合の対処法を解説します。
まず最初に、リングスリーブを圧着工具にセットし動かなくなるまでゆっくりと締め付けます。
心線を真っ直ぐ揃え、圧着工具側を回しながら入れていきます。絶縁電線は動かにようにしっかり押さえるのがポイント。
上手く入れば下図のようにキレイに収まります。
リングスリーブ施工時の欠陥例
リングスリーブ施工時の欠陥例について。
第二種電気工事士技能試験や現場でも役立つ内容なので是非覚えておきましょう。
この投稿をInstagramで見る
おすすめのリングスリーブ用圧着工具
リングスリーブ用圧着工具の代表的なメーカーを紹介します。
基本的に同じ作りで大きな特徴の違いは無く、持ち手の形状やデザインの好みで選んで問題ないと思います。
技能試験では「大」スリーブは使わないので「極小・小・中」のみに対応した小型サイズの圧着ペンチもあります。
手の小さい方や女性の方には小型サイズの圧着ペンチを選ぶのも選択肢の一つです。
- 通常サイズ:現場の職人向け
- 小型サイズ:技能試験向け
デンサン(通常サイズ)
イズミ(通常サイズ)
マーベル(通常サイズ)
ロブテックス(通常サイズ)
ホーザン(小型サイズ)
ロブテックス(小型サイズ)
まとめ
- リングスリーブのサイズは小・中・大
- 大は技能試験では出てこない
- サイズごとに決められた心線の本数がある
- 圧着工具はダイスの大きさに注意
- 小と特小(○)の間違えが多い
- 施工時の欠陥例を覚えておく
▼第二種電気工事士の受験に興味のある方はコチラ