- 配線の一般図記号
- 電線相互の材料と図記号
- 具体的な施工について
本記事では、配線図で扱う一般的な図記号を解説しています。建物の階層をまたいだ配線の図記号、電線接続に使う「ジョイントボックス」について深堀り。
学科試験に役立つ内容になっているので受験者さんは参考にしてみて下さい。
配線の一般図記号
電気工事には様々な配線経路があります。基本的には平面で見た見下ろし型の図面になるのですが、階層違いで配線をする時には下記のような種類があります。
- 立上り(たちあがり)
- 引下げ(ひきさげ)
- 素通し(すどおし)
立上り(たちあがり)
図面の階層から上のフロアに向けて配線する場合の表記。
引下げ(ひきさげ)
図面の階層から下のフロアに向けて配線する場合の表記。
素通し(すどおし)
図面の階層を通り抜けて配線する場合の表記。具体的に2階の図面を見た場合、1〜3Fへの配線は素通しになります。(※下図参照)
電線経路は、戸建ての住宅だと電線管を使い配線をしますが、マンション・商業施設など大きな建物になると配線経路に「ケーブルラック」を施工することになります。
ジョイントボックス(電線相互接続)
配線作業をする場合には電線を繋げたり、分岐させたりする場面が出てきます。その際、電線接続の設置箇所にはジョイントボックスを設けて施工する事になります。
ここでは様々あるジョイントボックスから代表的な物を紹介します。
- VVF用ジョイントボックス
- 端子台付きジョイントボックス
- アウトレットボックス
- プルボックス
VVF用ジョイントボックス
隠ぺい場所(普段見えない場所)でVVFケーブル同士を接続する場合に使用。黒の台座に専用のカバーが付いてるのが特徴です。最近の現場に関しては「ナイスハット」と呼ばれるジョイントボックスがよく使われます。
端子台付きVVF用ジョイントボックス
露出場所で(目に見える場所)でのVVFケーブル同士を接続する場合に使用。黒いケースに電線を止めるための端子が複数ついています。
アウトレットボックス
電線相互の用途にも使える他に「塗代」と呼ばれるカバーを付けることで、スイッチやコンセントなどの間仕切りに埋め込むボックスとしても使います。
材質は金属タイプと塩ビタイプがあり、電線管のコネクタを接続するためのノックアウトが付いているのが特徴。
プルボックス
電線管工事をする際の電線管の中継ポイントとなる役割をします。シンプルな箱型が特徴で、必要な部分を加工して使用するため施工の自由度が高いのが特徴。
大きさは寸法を指定して発注できるため、施工イメージに沿ったサイズを決めることが可能です。<例>高さ200mm×幅200mm×奥行き100など。
学習について
配線の一般図記号を覚える際に大切なことはシンプルで、以下の3つの要素を暗記することです。
①写真
②名前
③図記号
暗記方法に関しては、繰り返し学習が最も大切です。
ただ電気工事士として現場で働く皆さんには暗記をするだけではなく、施工イメージまでしっかりと学習することが大切かなと思っています。
具体的には、試験内容の情報だけではなく更に深堀りをしていくという感じ。例えば「材料は販売されている会社のカタログを見る」といった一歩踏み込んだ行動が大切です。