こういった疑問に答えます
第二種電気工事士資格の合格率と難易度
「第二種電気工事士って難しいのかな…」
「ネットやSNSでは”簡単”とか”難しい”とか色々あるけど正直どうなの?」
こういった悩みを抱えていませんか?これからチャレンジされる方は興味はあるものの、よく分からない不安がつきものです。(過去の私もそうでした)
本記事では第二種電気工事士の合格率と難易度の分析、そして多くの人が難しいと感じるポイントを解説していきます。
また記事後半では合格までに必要な勉強時間の目安と、その具体的な内訳まで詳しく解説しました。
今ある不安を一つ一つ紐解いて解決していくことで資格取得の意欲に繋がります。是非最後までご覧くださいませ。
第二種電気工事士は難しい資格?【合格率と難易度を解説】
結論から言うと、第二種電気工事士の資格は難しい資格ではありません。正しい学習手順と勉強をコツコツと継続できれば誰でも合格できる資格です。
ここでは具体的に第二種電気工事士の合格率の推移と、難易度を解説していきます。
また第二種電気工事士の概要については、【人気の国家資格】第二種電気工事士とは?【受験者必見】の記事で詳しく解説しているのでご参考に。
第二種電気工事士の合格率の推移
第二種電気工事士の合格率は学科試験59.88%、技能試験71.17%になります。下記は電気技術者試験センターにて公表されている過去10年分のデータをまとめたものです。
下図は上期、下期、合計それぞれの合格率をまとめたものです。
年 度 | 期 | 学科試験合格率 | 技能試験合格率 |
H.24 | 上期 | 58.15% | 71.76% |
下期 | 58.36% | 65.53% | |
計 | 58.20% | 70.58% | |
H.25 | 上期 | 63.00% | 78.15% |
下期 | 60.54% | 67.77% | |
計 | 62.42% | 76.03% | |
H.26 | 上期 | 62.17% | 75.41% |
下期 | 49.46% | 68.87% | |
計 | 59.01% | 74.15% | |
H.27 | 上期 | 62.45% | 71.80% |
下期 | 51.62% | 67.86% | |
計 | 58.85% | 70.70% | |
H.28 | 上期 | 65.16% | 74.10% |
下期 | 46.37% | 71.31% | |
計 | 58.63% | 73.36% | |
H.29 | 上期 | 61.03% | 71.33% |
下期 | 55.62% | 63.36% | |
計 | 59.07% | 68.82% | |
H.30 | 上期 | 57.80% | 69.38% |
下期 | 51.84% | 64.82% | |
計 | 55.42% | 67.48% | |
R元年 | 上期 | 70.64% | 67.44% |
下期 | 58.47% | 62.22% | |
計 | 65.94% | 65.27% | |
R.2 | 下期 | 62.08% | 72.91% |
計 | 62.08% | 72.42% | |
R.3 | 上期 | 60.38% | 74.24% |
下期 | 57.69% | 71.08% | |
計 | 59.17% | 72.83% |
・上期:学科試験62.31%、技能試験72.62%
・下期:学科試験55.21%、技能試験67.57%
第二種電気工事士の偏差値
第二種電気工事士の難しさを偏差値で出すとおおよそ「44」になります。
つまり平均よりは少し簡単な傾向にある、ということ。参考までに電気系資格の一覧をまとめてみました。※データは資格の取り方より引用
資格種別 | 偏差値 |
電気主任技術者(第1種) | 67 |
電気主任技術者(第2種) | 64 |
電気主任技術者(第3種) | 58 |
電気工事施工管理技士(1級) | 54 |
第一種電気工事士 | 52 |
電気工事施工管理技士(2級) | 46 |
第二種電気工事士 | 44 |
第二種電気工事士の難易度
第二種電気工事士の難易度は他の国家資格に比べて比較的低いと言えます。
その理由は受験資格が必要なく誰でも受けられるハードルの低さ、そして合格までの勉強時間が少ない点にあります。
例えば電験3種の場合、必要な勉強時間は約1000時間で多くの人は1年かけてじっくりと学習を進めていきます。
一方で第二種電気工事士は、多くても約200時間で3ヶ月程度の学習期間が平均値となっています。
合格率や他の資格と比較すると簡単だと言えますが、しっかり勉強していかなければ理解できない部分も多くあります。
①学科試験の壁は計算問題
②過去問の勉強方法
③技能試験の方が難しい
①学科試験の壁は計算問題
多くの受験者さんがつまづく電気理論を扱う計算問題。全体の約1割ほどの出題数で、ここに時間をかけてしまう人が沢山います。
計算問題が得意であれば問題ありませんが、苦手な方は思い切って捨ててしまっても問題ありません。
その理由は、学科試験の合格ラインは60点なので他の科目で充分にカバーできるからです。
学科試験の中で図記号・材料・工具などの識別問題や配線図を扱った問題は、全体の4〜5割を占める点取り科目。
計算問題と比べて比較的理解しやすい科目で点数を稼いでいく方法がセオリーです。
学科試験の計算問題に関する考え方は【第二種電気工事士】計算問題への考え方【捨ててOKです】の記事で詳しく解説しているので参考にしてみて下さい。
②過去問の勉強方法
「過去問の勉強方法がわからない」という方が多く、よく質問を頂きます。過去問の勉強方法は基本的に勉強量と日々の継続が大切です。
できれば過去8〜10年分(上期、下期)を満遍なく学習していくこと。
慣れてくると気づくと思いますが、過去問は似たような問題がほとんどです。具体的には下記の3つ
・言い回しを変えているだけ
・数字が違う
・写真が違う
一例として過去3年分の似ている問題を紹介します。
上図の上の2つは問題、答え、出題番号までほぼ同じ。一番下は似ているけど求められている答えが逆。
このように過去問は問題の「型」を覚え(暗記に近い)できるだけ多くの問題パターンを知ることが勉強のコツです。
③技能試験の方が難しい
「学科試験59.88%、技能試験71.17%」
合格率だけをみると技能試験の方が簡単に見えますが、肌感覚としては圧倒的に技能試験が難しいと感じています。
その理由は”手を動かして作品を作る作業”でつまづくから。初心者さんは工具の持ち方も分からないし、何をどうすればいいのか道筋が見えません。
とはいえ、最初の山場を超えてしまえば一気に楽になるのでそこまでが正念場かなと思います。
第二種電気工事士:勉強時間の目安
第二種電気工事士の勉強時間の約「200時間」です。
内訳は学科試験(学習期間3ヶ月)で約90〜135時間、技能試験(学習期間2ヶ月)で60時間。少し多めに見積もっていますが、これくらいの勉強量が目安になります。
とはいえ「時間よりも質」が重要なので学習方法や学習手順がとても大切です。
学科試験の勉強時間
学科試験に向けての勉強時間は約90〜135時間、3ヶ月間のスケジュールとしては下記の通り
- 1ヶ月目:基礎理論(約1時間)
- 2ヶ月目:基礎理論+過去問(約1.5時間)
- 3ヶ月目:過去問(約1.5時間)
まず始めの1ヶ月は基礎テキストで全体的な基礎理論を学びます。ただ完璧に理解する必要はなく、わからないことは後からゆっくり勉強していく感覚で大丈夫です。
2ヶ月目は過去問題集に手を付けて問題の型に慣れていきます。基礎テキストと上手く連携させながら、わからない部分を細く潰していくイメージ。
3ヶ月目は過去問に集中してとにかく物量をこなすこと。多くの問題パターンを知っておくことが合格への近道です。
私が受験した当時にお世話になった「すい〜っと合格シリーズ」がおすすめで【2022年】すいーっと合格 第2種電気工事士【書評・口コミ】にて詳しくレビューしているので参考に。
技能試験の勉強時間
技能試験に向けての勉強時間は約60時間、2ヶ月間のスケジュールとしては下記の通り
- 0〜2週間:複線図
- 2週間〜1ヶ月:候補問題練習+欠陥例
- 2ヶ月目:候補問題練習
まず最初の2週間は複線図の練習、つまり単線図→複線図に変換すること。
複線図は作業における地図のようなモノで、これが理解できていないと問題どおりの作品が作れません。
2週間〜1ヶ月で候補問題の練習と欠陥に関する知識を付けていきます。実際に手を動かしつつ、作業の要点を掴んていくイメージ。
残りの1ヶ月は候補問題13問をひたすら練習していきます。トータルで3周分(13×3=39問)でほぼ合格は間違いないレベルの作業量。
第二種電気工事士の勉強時間については【知っておくべき】第二種電気工事士の勉強時間「200時間」の理由でさらに詳しく解説しています。
まとめ
- 学科試験の合格率は59.88%
- 技能試験の合格率は71.17%
- 上期試験の方が合格率は高い
- 第二種電気工事士の偏差値は約44
- 計算問題が苦手なら捨ててもOK
- 過去問は型を覚え物量をこなす
- 技能試験は最初はキツイけど後が楽しい
第二種電気工事士全ての流れを解説した記事第二種電気工事士完全攻略マニュアル【試験申し込み〜合格まで解説】もオススメなので是非ご覧下さいませ。