今回はこのような悩みに答えていきます。
本記事のテーマ
- 電気工事士が使う電動工具のまとめ
この記事を読んで分かること
- 電気工事が使う電動工具の基礎知識が分かる
- 最低限揃えるべき電動工具の種類が分かる
- 具体的に使用する作業についての解説
- さらに電動工具を購入する際のマメ知識
記事の信頼性
私は電気工事士歴5年の電工職人です。
実際に現場で手を動かし、様々な電動工具に触れてきました。
これまでの知識と経験を活かしたリアルな現場目線で記事を執筆していきます。
この記事は電気工事士が扱う電動工具を網羅的に知りたい方向けの内容になっています。
最低限必要な工具とその知識についてまとめました
ぜひ最後までご覧ください。
電気工事士が使う電動工具まとめ
ネジ締め&穴あけ工具
ネジ締めや穴あけに使う際の電動工具の紹介です。
ハンマードリル
ハンマードリルの特徴としては以下の通りです
- 回転機能
- 回転+縦方向の振動
回転機能はドリルドライバー同様にホールソー等での穴あけ作業
回転+縦振動はアンカーの穿孔(せんこう)作業
と使い分けることが出来ます
他の電動工具に比べパワーが強く
一台持っておくと様々なシーンで活躍します。
ドリルドライバー
ドリルドライバーの特徴は以下の通り
- 回転機能
- コンパクトで持ち運びが容易
回転機能でホールソーや鉄用キリ先、木工用キリ先等で穴を開けます。
ハンマードリルにも同様の機能がありますがこちらはコンパクトで
持ち運びがしやすいのが特徴です。
インパクトドライバー
インパクトドライバーの特徴は以下の通り
- 回転+横方向への振動
回転機能+横振動によりネジ締めに最適の工具です。
パワーが強く、細いものから太いものまで対応可能。
ちなみに鳶職人は鉄骨柱のとても大きいボルトを締める際にも使います。
ペン型インパクトドライバー
ペン型インパクトドライバーの特徴は以下の通り
- 回転+横方向への振動
- 非常にコンパクトで腰道具にも収まる
回転+横方向への振動でネジ締めに最適です。
最大の特徴は非常にコンパクトで腰道具に収まるサイズだということ。
パワーは一番小さいですが、小さなネジをを扱うことが多いので
早回しによって作業効率がグンと上がります。
切断工具
ここでは切断工具について解説していきます
チップソー
チップソーの特徴は以下の通り
- 回転切断機能
- 切断スピードが早い
回転切断により鉄・木など様々な資材を切断することが出来ます。
切断スピードが早く、作業効率が上がります。
また専用のガイドを使用することでキレイな直線で切断することも可能です。
バンドソー
バンドソーの特徴は以下の通り
- 回転切断機能
- 経の大きな資材の切断
- 目の細かい切断面
同じ回転切断としてはパワーカッターと似ています。
使い分けとしてパワーカッターでは刃が届かない経の大きなパイプなどの切断
に使うことが多いです。
また切断面の目が細かいのでバリが出にくく
全ねじボルト等の切断に使う時にも効果を発揮します。
レシプロソー
レシプロソーの特徴としては以下の通り
- 前後振動での切断機能
- 細い隙間での切断も可能
レシプロソーは鋭い刃を前後に振動させることによって切断する工具です。
電気工事では主に「デッキ開口(※)」の作業に使用することになります。
(※)建物の上下貫通のデッキを切断する作業
タイプにもよりますが、コンパクトなサイズでは
繊細な切断も可能で、内装工事のコンセントやスイッチ等のボード開口に
使用することも可能です。
ジグソー
ジグソーの特徴は以下の通り
- 前後振動での切断機能
- 高速振動で目の細かい切断面
前後振動での切断機能はセーバーソーと似ていますが
ジグソーは短い刃で高速振動しながら切断するのが特徴です。
電気工事としては主な使い方は、盤の開口プレートの加工作業です。
コンパクトで繊細な作業向きで小さな開口も作ることが出来ます。
全ねじカッター
全ねじカッターの特徴は以下の通り
- 全ねじボルト切断の専用工具
全ねじカッターはその名前の通り
全ねじを切断する際に使用します。
機能は限定的ではありますが、電気工事は全ねじを切断する作業が非常に多く
人によっては2台3台と揃えるほど重要な電動工具です。
またコンパクトで持ち運びが容易なので
高所での使用が出来るのが大きな魅力です。
他の切断工具と違い切断時の切り粉が出ないので安全性も高くなっています。
ケーブル専用工具
ケーブルを扱う際の専用の電動工具の紹介です
ケーブルカッター
ケーブルカッターの特徴は以下の通り
- ケーブルを切断する専用工具
その名前の通り、ケーブルを切断するための専用工具。
手動タイプもありますが電動タイプの方が圧倒的に効率がイイです。
主にニッパーやペンチで切ることの出来ない太いサイズのケーブルに使用します。
具体的にはCVT22sq以上での使用がオススメです。
CVT100sqとかになってくるとケーブルカッターでなければ切ることは不可能です。
※バンドソ−等の切断工具を使えば切ることは可能ですが効率悪く非推奨
電動圧着器
電動圧着器の特徴は以下の通り
- ケーブルの端子を圧着する専用工具
太いケーブルの端子を圧着する際に活躍する電動工具です。
手動タイプもありますが、電動タイプの方が圧倒的にスピードが早いです。
個人的には22sqまでなら圧着ペンチ(赤)で対応できますがそれ以上は電動圧着器
を使用することをオススメします。
その他
その他必須では無いものの、作業で役立つ電動工具の紹介です。
クリーナー(掃除機)
クリーナーの特徴は以下の通り
- 持ち運び可能でいつでも掃除可能
- ボックス内の細かな掃除にも対応
クリーナーは一台は持っておきたいモノの一つです。
色んな現場で使え、特に重宝するのが客先訪問での掃除です。
作業後のタイルカーペット等の床掃除には欠かせません。
また、ボックス内や小さな穴の手の届かない場所の掃除にも活躍します。
ライト
ライトの特徴は以下の通り
- 暗所での照度確保
- バッテリーで持ち運び可能
ライトの使用用途としては照明の行き届かない場所での使用です。
特に新築現場では、EPS内での作業で活躍します。
また年次点検で停電中の作業で使用するので
何台か持っておくと、そういった場面に対応できます。
電動工具を買う際のポイント
電動工具を購入する際のポイントを紹介します。
出来る限り同じメーカーで揃える
電動工具を購入する際は、同じメーカーで揃えることを強くオススメします。
その理由はバッテリーの汎用性です。
同じ規格のバッテリーであれば、他の工具に使い回すことが可能です。
中には違う規格(14Vと18V等)どちらでも対応可能な工具も出ており
さらに汎用性は高まっています。
型落ちなら中古も視野に入れる
型落ちでも問題ないという方はヤフオク・メルカリなどのサービスを
利用するのも選択肢の一つです。
持っていない工具をお試しで中古で買ってみて
使えそうなら次回購入時に新型を買うといった流れでもいいと思います。
予備のバッテリーを充実させておく
電動工具の生命線はバッテリーです。
当たり前ですが、バッテリーがなければ動きません。
工具1台に付きバッテリーは2台、というのが基本になってきます。
運用方法としては本体を使っている間に予備バッテリーは常に充電状態。
バッテリーが切れれば、予備と交換する。
といった感じで、常にフル充電で扱える事が電動工具の理想的な使い方です。
本邸のみで購入する場合、予備バッテリーも合わせて購入することをオススメします。
さいごに
いかがだったでしょうか?
電気工事士は作業内容も扱う材料も多く
それだけ使用する工具の数も他業種に比べ非常に多いのが特徴です。
今回紹介した工具意外にも沢山の電動工具がありますが
最低限揃えておけば、どんな現場でもある程度対応可能なモノを紹介しました。
これから工具を揃えていきたい人の参考になれば幸いです。