今回はこういった悩みに答えます。
- 第二種電気工事士試験のトータル費用
- 費用別についての解説
本記事では第二種電気工事士に必要な費用をすべて洗い出してまとめました。
実のところ”技能試験の3回分材料”などを含め、全体的に必要な費用を多めに見積もっています。というのも確実に1回の受験で合格して欲しいから。
「できるだけ費用を抑えよう!」という記事は多くありますが、それでは中途半端な学習しか出来ません。過去の私は揃えるモノもよく分からず手探りで失敗をしてきました。
この記事を読んで下さる読者さんが、一歩でも合格へ近づくよう記事を執筆していきます。
第二種電気工事士にかかる費用
第二種電気工事士の資格取得に必要な費用はおおよそ55,000円になります。
申し込み費用 | ¥9,300 |
学科対策(基本テキスト) | ¥2,000 |
学科対策(過去問題集) | ¥2,000 |
技能対策(基本テキスト) | ¥2,000 |
技能試験工具セット | ¥11,000 |
技能試験材料セット | ¥24,000 |
免状申請費用 | ¥5,300 |
合計 | ¥55,600 |
それぞれの費用を解説していきます。
申し込み費用
試験の申し込みは2つの方法があり、それぞれ金額が異なります。
- インターネット:9,300円(非課税)
- 郵便(書面):9,600円(非課税)
インターネット:9,300円(非課税)
インターネットでの申し込み方法は一般財団法人電気技術者試験センターのホームページへアクセスし申込画面の手順に従って必要項目を入力してきます。支払い方法は下記の通り
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- ペイジー決済
- 銀行振込
※銀行振込以外は、別途事務手数料が必要になります。
郵便(書面):9,000円(非課税)
受験案内が同封された受験申込書に必要事項を記入して顔写真を貼り、試験センターへ郵送します。
受験案内を入手するには試験センター本部事務所へ返送用の封筒を郵送する必要があります。
また申し込みの受付期間ギリギリで請求した場合、対応してくれないので注意が必要です。
学科対策で使うテキスト
学科対策で使うテキストは2種類です。
- 基本テキスト
- 過去問題集
基本テキスト
基礎学習をする際に必要。内容は主に試験に出題される7科目の解説、具体的には下記のような内容です。
- 電気の基礎理論
- 配電理論・配線設計
- 電気機器・配線器具と材料及び工具
- 電気工事の施工方法
- 一般電気工作物の検査方法
- 配線図
- 一般電気工作物の保安に関する法令
上記に合わせ、過去問が少し掲載されています。
学科試験では「過去問の集中練習」が最終的に1番重要な勉強方法になるので、基本テキストだけでは足りません。
後述する過去問題集とセットで勉強を進めましょう。
過去問題集
過去問題集は基本テキストとセットで揃えておきましょう。学科試験を合格するコツは過去問題をどれだけ多く解けるかにかかってきます。
第二種電気工事士の学科試験で過去問が大事と言われる理由は、過去の問題を少し変えただけのパターンが多いから。
具体的には
☑️言い回しを変えているだけ
☑️数字が違うだけ
☑️写真が違うだけ
問題の型を覚えて違いに気付ける観察力を身につけるのは攻略法の一つです😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) March 3, 2023
上記ツイートの通り、学科試験は過去の問題を応用したパターンがほとんど。基礎テキストと過去問題集、2冊の参考書を上手くミックスさせていくことが効果的な勉強方法です。
技能対策で使うテキスト
技能対策ではテキストが必須です。なぜなら初心者さんは工具の扱い方も分からないし、施工に対して正解・不正解の基準が分からないから。
技能対策のテキストは勉強を進める道しるべになるので、必ず準備しておきましょう。
第二種電気工事士の技能試験に不安のある人は学習する要点をおさえると良いです。ポイントは3つで
①複線図を理解する
②欠陥例を理解する
③作業スピードを上げる
学習手順を守っていけばあとは物量で身体に覚えさせる。理解してくれば楽しくなってきます😌— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) March 3, 2023
上記ツイートの通り、技能試験を合格するコツは学習手順にあります。
- 複線図を理解する
- 欠陥になるポイントを理解する
- 作業スピードを上げる
テキストを読むことで正しい学習手順を学ぶことが出来ます。技能試験は決められた施工ルールと時間を守ることが重要で「なんとなくの学習」では絶対に合格できません。
技能対策テキストは学科学習の段階では時期が早く、予約中のモノがありますが早めの準備をしておきましょう。
技能試験で使う工具
技能試験に必ず必要な工具は下記の通り
工具名称 | 主な用途 |
電工ナイフ | ケーブル被覆の剥ぎ取り |
ペンチ | 電線被覆の剥ぎ取り、輪作り |
圧着ペンチ | リングスリーブの圧着 |
ドライバー(+、ー) | 端子台のネジ留め |
ウォーターポンププライヤ | ロックナットの締め付け |
スケール(メジャー) | 寸法を測る |
工具をまだ持っていない初心者さんは、一つ一つ買っていると手間がかかるのでセット工具を準備しておきましょう。
一方で、現場で働いてる見習いさんは普段使い慣れている工具を使うのが良いと思います。
ただ「毎日現場から工具を持ち帰るのが大変」という人は、今後2セット目の腰道具を作る事を見越して工具セットを購入することも選択肢の一つ。
工具セットは技能試験が近くなるに連れ、売り切れの可能性があります。できるだけ早い時期に準備しておきましょう。
技能試験ではVVFケーブルを速く処理できる機械式ストリッパーがとても役立ちます。セットで購入したい方はこちら
職人の中でも愛用者が多いメーカー「MARVEL」の工具セット。ニッパーが入っており、細かい部分の切断に役立ちます。
最低限の指定工具だけ揃えたい方はコチラ。勉強を進めながら必要に応じて工具を買い足す、というのも一つの方法です。
技能試験で使う材料
技能試験は一般社団法人電気技術者試験センターから公表された、13の候補問題から1問出題されます。
技能対策では練習量が大切で、可能であれば13問×3回分の材料を準備しておきましょう。その分費用はかかりますが「材料がなくて練習不足→試験不合格」になるのが最悪のパターン。
多少余ることを見越しても、材料は3回分準備しておくことをおすすめします。
練習3回分セット。初心者さん、見習いさんに関わらず、基本的にはこのセットをおすすめします。過不足なく十分な練習をすることができます。
電気工事の現場で働いている人は、ケーブルなどの消耗品は現地調達できる場合があります。会社に相談して、材料を分けてもらえそうなら最低限の材料セットで費用を抑えることも可能。
免状の申請手数料
第二種電気工事士免状の申請手数料は5,300円。合わせて、免状用に写真を準備する必要があります(スピード写真で約600〜1,000円程)
その他の追加費用
試験地までの交通費、宿泊費
試験地までの交通費を考慮しておく必要があります。電車の場合は電車賃、車の場合はガソリンや駐車場代など。遠くなればそれだけ費用がかさむので予算を計画的に組む必要があります。
技能試験で使う便利道具
技能試験では電動式の工具以外はすべて使用可能。使える工具はできるだけ揃えておいたほうが合格率は上がります。
被覆の切り込み深さを5段階で調整できる機械式のVVFストリッパーです。技能試験でも役立ち、汎用性があるので現場で愛用している職人さんも多いプロ向けの工具。
VVRケーブルなどの丸形ケーブルのシース(外装)を剥くための専用工具。技能試験では電工ナイフを使いますが、ケガのリスクは少なからずあります。コレを使えば安全に作業を進めることが出来ます。
合格マルチツールは、配線器具の電線外し、連用枠への器具取り付け、ブッシングの穴あけ、ロックナットの取付けなど1本で様々な作業に対応。細かい作業の時短になるので、持っておいて損なし。
合格配線チェッカーは単三電池2本で、コンセント、照明や電線相互の結線などをランプで確認できるアイテムです。作った作品が正解かどうか確認できるので、独学の方には心強い。
受験者さんの声
🔽電工二種の資格に必要な費用についての記事です。
結論は、約5万円程度です。
経験者なら分かると思いますが、決して安く済むものではありません。これから資格取得を目指す方は是非御覧くださいませhttps://t.co/APWaf0mVmX— でんちゃん@電気工事✕情報発信 (@denchan_ew) July 24, 2021
以前費用に関するツイートをした所、沢山の方々がコメントしていただきました。
ここではその一部をご紹介させていただきます。
受験を考えている方には非常に参考になる情報です。
私は予備知識ゼロでしたが、なるべく安く済ませたくて独学を選択。技能試験の練習セットを2回分購入しましたが、ミス無く出来るようになったのは3周目になってから(部材追加購入)です。かかった費用は約6万円。今思えば、ケーブルの寸法を短く設定して練習すれば、もっと安く済んだかも。
— ふうこ (@kirei7hoshizora) July 24, 2021
私は1回分のセットの他に電線やスリーブや取付枠を追加で買い足しを何度かしてるので、やはり総額6万円くらい。それで電気工事士の国家資格が得られるのなら、高いとは感じないです。
— フクプリン (@fukutopurin) July 24, 2021
上記学科と実技で約39000円
受験料が9300円+283円(事務手数料)=9583円
免状申請で5200円+880円(簡易書留)=6080円約54500円でした😂🤚🏼~💸
参考までに。
— ハーミット・レクルース (@Hermit_Recluse) July 25, 2021
受験料10k
受験の交通費3k
テキスト代2k
工具代25k
練習資材8k
免状申請6kここに認定電気工事関係が加わると+20kなのでまぁそこそこ掛かってます。
それでも自分で器具の交換工事を10か所ほどやれば元は取れます。 https://t.co/ayPJae5XnV— ESD@┓(谷)┏ (@eternalNo3) July 24, 2021
【2024年】第二種電気工事士の試験情報
2024年第二種電気工事士の試験情報を簡単におさらいしておきます。特に申し込み期間は、うっかり忘れてしまう人がいるので注意。
申し込み期間・試験日程(令和6年度)
上期 | 下期 | |
申込受付 | 3月18日(月)~ 4月8日(木) | 8月19日(月)~ 9月5日(木) |
学科試験(CBT方式) | 4月22日(月)~5月9日(木) | 9月20日(金)~10月7日(月) |
学科試験 | 5月26日(日) | 10月27日(日) |
技能試験 | 7月20日(土)または7月21日(日) | 12月14日(土)または12月15日(日) |
試験の全体的な流れについては第二種電気工事士完全攻略マニュアル【試験申し込み〜合格まで解説】にて詳しく解説しています。
独学以外の勉強方法
本記事では「独学」の方を対象にしています。その中でもより確実に合格したいのであれば通信教育が効果的です。
独学でやりがちな勉強方法が「暗記特化」になること。つまり理解出来ない問題を丸暗記で挑んでしまう方法です。
確かに第二種電気工事士は丸暗記で取れる資格だとよく言われますが、知識として身についてないペーパー資格に意味があるでしょうか?
生き方の選択肢を広げることが、本当の意味で”手に職を付ける資格”なんです。本気で取りに行きたい方は【現役電気工事士が選ぶ】第二種電気工事士の通信教育【厳選2選】で是非検討してみて下さい。
まとめ
- かかる費用は約55,000円
- 学科は基本テキスト+過去問題集
- 技能は基本テキスト必須
- 工具はセットがおすすめ
- 材料は3回分セットがおすすめ
- 交通費などの変動費も考慮しておく