今回は「ウォーターポンププライヤー」をテーマに解説していきます。
本記事を読むことで分かること
- ウォーターポンププライヤーの基礎知識
- ウォーターポンププライヤーの用途
- ウォーターポンププライヤーおすすめ紹介
- ウォーターポンププライヤーの豆知識
記事の信頼性
私は現役の電気工事士で「職人」と言われる立場で現場でモノづくりをしています。
電気工事に興味のある方や新人さんに向けで役立つ情報をお届けします。
本記事を読むことでウォータポンププライヤー(※以下「プライヤー」)の基礎知識が得ることができます。現場で使い方に悩んでいる方へ参考になる内容となっています。
ウォーターポンププライヤーの基礎知識
咥え部分
プライヤーの「咥え部分」はモノを掴むために溝がついてあります。先端部分では小さなモノを掴む際に使い、湾曲している部分で丸く掴みづらい金属管をしっかりと喰い付かせることができます。
口幅調整
プライヤー最大の特徴が口幅調整をして様々な大きさの物を掴めることです。小さなモノから大きなモノまで幅広い用途に使うことができます。
又、対象が同じ大きさのモノであっても一番チカラをかけやすい(テコのチカラがかかりやすい)口幅に調節する、という意味も兼ねています。
柄の形状
プライヤーの柄はマイナスドライバーの形状になっている商品が多く、簡易的なドライバーとして使用することができます。とはいえ、電気工事士は常にドライバーを持ち歩いているので使用頻度は少ないです。
ウォーターポンププライヤーの用途
掴む・回す作業
プライヤーは「掴む・回す」用途で使用します。電気工事では具体的に下記のような場面で活躍します。
- パイプ(金属管)を回す
- ナットを締める、緩める
- ロックナットを締める
- 全ねじボルトを回す
- バール代わりに使用する(応用)
プライヤー < 専用工具の構図
上記の通り大小様々なモノを対象に扱うことができます。ただ注意しておきたいことはプライヤーは「特定の専用工具ではない」ということです。具体例を挙げると
・ナット→スパナ(専用工具)
・全ねじボルト→全ねじレンチ(専用工具)
・持ち上げる→バール(専用工具)
上記のような感じです。つまりプライヤーは汎用性は高いけど専用工具には性能が劣ることを理解しておく必要があります。もう少し掘り下げて説明します。
例えばナットを締める場合、プライヤーを使うと咥え部分の溝がナットを傷つけてしまい品質を落としてしまうことになります。一方専用工具のスパナを使えば傷つけることなくしっかりと締め付けることができます。
全ねじボルトを締め込む場合、同じくプライヤーを使うと全ねじの山(ギザギザ部分)を潰してしまう可能性が高まります。山が潰れると全ねじボルトにナットが入らなくなり使い物になりません。一方で専用工具の全ねじレンチを使えば山を潰すこと無くしっかりと締め付けることができます。
オススメのウォーターポンププライヤー
代表的なメーカー
- トップ工業
- FUJIYA(フジヤ)
- MARVEL(マーベル)
- KNIPEX(クニペックス)
- DENSAN(デンサン)
- LOBSTER(ロブスター)
ウォータポンププライヤーは上記以外にも様々なメーカーから発売されています。現場では電気工事士以外にも、配管工等の設備関係の職人さんも多く使用しています。
定番のウォーターポンププライヤー
【FUJIYA】黒金 超軽量ウォータポンププライヤー
- ひし形の咥え部分(ナットが咬みやすい)
- 超軽量(腰への負担軽減)
- 落下防止コード穴付き(高所作業対応)
軽さが売りのフジヤの黒金プライヤー、腰道具の中でも重い部類の工具なので、少しでも負担が減るのは嬉しいポイントです。
あまり見かけない咥え部分がひし形の形状で、ナットを回す際も不用意に滑ること無く安定して使用することができる。(とはいえスパナ等の専用工具は推奨)見た目が渋いブラックで黒金ファンは買って損なしの一本。
【DENSAN】電工プロアンギラ
- 特殊形状の咥え部分
- 小ネジ外し機能付き
特殊形状の咥え部分でサイズによって加える部分を変えることができます。又先端部分は丸形状を掴みやすいギザ構造になっていて、小さなネジや錆びたネジなどもしっかり回すことができます。上記黒金と同じくナットを回せるのが売りになっていますが、個人的にはナットはスパナで締めるのが基本だと思っています。
【TOP工業】ウォータポンププライヤ 三枚合わせ
- 安定の三枚合わせ構造
- マイナスドライバー付き
上記画像の通り三枚合わせ構造が特徴のプライヤーです。長年使っているとガタツキが来てしまいますが、その問題を解決してくれるのがコレ。寿命が長く高品質を保てるのが魅力ですが、個人的には二枚合わせのガタツキが出ることで口幅調整がスムーズになるのが好きだったりします。
これは好みの問題ですが、プライヤーはしっかりしたものを長く使いたい!といった方にはオススメできる一本です。
ウォーターポンププライヤーの豆知識
色んな呼び方がある
- プライヤー
- カラス
- アンギラ
- ポンプラ
- わに口
- ウォーポン
プライヤーには上記の様な呼び方がありますが大抵の場合は「プライヤー」で通じます。その他にも現場では工具や材料には色んな呼び方があります。
現場でのコミュニケーションは相手に伝わることが大切です。普段使い慣れている言葉が相手に伝わらないことがよくあるので注意が必要です。
もうやだこの工具。 pic.twitter.com/HQ7pfZRYsK
— でんちゃん (@denchan_ew) August 7, 2024
現場でのコミュニケーションは相手に伝わることが大切です。普段使い慣れている言葉が相手に伝わらないことがよくあるので注意が必要です。
【技能試験】ボックスコネクター
第二種電気工事士の技能試験ではボックスコネクターを扱う問題が出る場合があります。その際ねじ切りをする時にプライヤーが活躍します。
また上記画像のように材料をバラす際にもねじ切った部分をプライヤーの先端で回すことで外す事ができます。
まとめ
- 咥え部分・口幅調整・柄の形状がポイント
- プライヤーの用途は「掴む・回す」作業
- プライヤーは専用工具には敵わない
- 買う基準は特に無く好みでOK
- 色んな呼び方がある
▼本記事で紹介したプライヤー